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> 対談・真剣勝負
今の教育に欠けている事
本質から政治を読み解く
本質を見極める力
出口
話は変わりますが、戦後初めて政官財の癒着を断ち切り、根本的なものを全て変えようとしている以上、いま混乱するのは当然だと思うのです。民主党に結構逆風が吹いていますが、逆に「なんだ、それ位の覚悟もなく国民は政権交代を選んでしまったのか」というのが僕の正直な思いです。
既得権益を持った人たちは当然必死で抵抗するだろうし、あるいは制度が根本的に変われば、やはりいろいろな問題や混乱も起こる。それらは当然織り込み済みなのに、なんでこんなに……と思ってしまいますね。
松井
私たちの反省を込めて言えば、おそらくご批判の半数は出口先生がおっしゃったように、混乱して自分たちの予算や生活がどうなるのか不安になり、反発を持った方々からのものだと思うのです。
それと同時に残り半数のご批判は「もっと頑張れよ、もっと戦えよ、守りに入っていないか」という声であろうと思っています。
出口
おっしゃるとおりですね。
松井
これは当然のことなのですが、民主党、あるいは連立政権には様々な価値観や政策を持った人が集まっています。したがって政策によっては、従来の制度に対するノスタルジーを抑えきれない方も出てくるかもしれません。 しかし、そこは私たちも勇気を持っていかないと、昨年の8月30日に「じゃあ変えよう」という選択をした皆さんの思いを理解していないのではないか、という批判につながって当然だと思うのです。
最近私たち、「民主党らしさ」とよく言います。つまり、長いものに巻かれずに、透明な意思決定をすることを我々は目指さなければならないのです。しかし、党内に必ずしもそういう体質ばかりではないものが見られてしまうことをどうするか、これは私たち自身の問題ですね。
出口
お金の問題もいろいろあります。もちろん良いことだとは思っていませんが、ただ政治には当然、政治資金が必要という現実があるわけで、自民党であろうが民主党であろうが、誰もがやはりその現実を引きずってきているのではないでしょうか。そういった部分が多少なりとも強かった前の時代の話を、政権交代後のこの時期にわっと一斉にみんな掘り返していくというか……。
松井
政治というのは闘争ですから、そういった闘争をしかけてこられるのは、まあ当然だと思います。むしろそれに対して、「過去そういう時代があった、そういう政治の中で政治家は戦ってきた。でもこれからはそのルールを変えよう」と、きちんと訴えていかなければいけないと思いますね。それは民主党として、これからもっと前に出していかなければならない。
私の上司である鳩山さんはその気持ちを持っている人です。あの人はもちろん、ご自身で認められているように恵まれた家系で育たれた。だけどその分、ご本人もむきになっておっしゃっていますが、私腹をこやすような利権的な政治とは本当に無縁な人です。
鳩山さんのような方だから政治とカネのことを変えられる。これからきっと政治とカネについて大きな変化が起こってくると思います。起こさなければ何のために政権交代させてもらったのかわからないですからね。
出口
鳩山さんについて言うなら、僕の感覚としては「あ、この人お金がいっぱいあるから、お金のために悪いことはしないだろう」というイメージを持ってしまって(笑)。
松井
実際そうなのですけれど、ただ、やはり手続的なことを含めておかしかったことはおかしかったし、ご本人も痛切にそのことについて国民の皆様にお詫びもおっしゃっています。まあ次に何をやるかですね。