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システム中学国語 漢字・語彙編
システム中学国語 漢字・語彙編 表紙



水王舎
800円(+消費税)



 

水王舎が昨年秋刊行した「システム中学国語シリーズ」の末弟、「漢字・語彙編」が完成。
高校入試に「出る漢字」と「出る重要語」を精選し、全く新しい構成でまとめた「漢字・語彙がよくわかる本」。

 高校入試の漢字問題は、配点からすれば1割未満がふつうです。 そのために多くの漢字を暗記する必要があるでしょうか。
もちろん答えはNO!

 過去の入試を見ても「出る漢字」はある程度決まっています。
その「出る漢字」と、問題文の中でポイントになる「重要語」がわかれば、 まちがいなく高得点がとれます。
つまり、たんに漢字を多く覚えるのでなく、必要な漢字を知って使い方を理解する、 簡単に言えば「語彙力」を身につける、ということです。

 だから、本書は過去の入試問題を分析し、「よく出る漢字と重要語」を精選、 「例文→(意味→)解答」という従来の構成をやめて、 「見出し語→意味→例文→解答→文章中から問う問題の実例→重要事項解説」 というスタイルをとりました。

  「出る書き276」「出る読み288」「出る四字熟語・慣用句156」「出る重要語90」、 さらに、比較的やさしい「出る漢字」を集めた「出口のリスト400」で構成しました。

漢字関連本では珍しい「横組み」、大活字、2色印刷、大きさはB5判変型……、 これもみんな、読みやすく、頭に入りやすくするため。出口汪の懸命の工夫です。





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「編集者のつぶやき」

水王舎 関 一憲

  日本語には、ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字がありますね。ひらがなやカタカナのみで表された文章は、一昔前の電報のように読みにくい。ローマ字もそう。パッと見ただけでは何のことやらさっぱりわからない。とはいえ、漢字ばかりではリズムがつかめず読む気が失せてしまいます。
 漢字やひらがな、カタカナが適当に混じっていてこそ、すぐに意味や流れがわかる。
 とくに漢字部分はすぐに目に飛び込んできて、それが要点になっていることが多いですね。 だから、連絡事項などは一文で漢字が中心なのがいい。
 「2月15日画期的漢字本、全国一斉発売」とか。
 「8日間東北地方桜前線密着観光」とか。
 「駅徒歩15分、管理最高、日当たり良好、築浅物件」 
 ただ、あんまり長いと読むのが嫌になってしまう。漢文みたいで。
言葉を漢字で書くかひらがなで書くか、人それぞれの思いがあるでしょう。  同じ「あす」でも、 
 「明日」は「みょうにち」と読めば改まった感じになり、緊張しそうだし、「明るい日」と読んでしまえば心浮き立つ感じ。
「あした」なら親しい間柄の感じがある。「あしたも会おうね」なんて。
辞典には書いてないけれど、言葉の表し方には人それぞれ好き好きがあるのでしょう。
 「子供」は「子ども」と表記したい、とか、 「女子大生」ではなく「女子大学生」が正しい、とか、 「嬉しい」は不快な字で「うれしい」と表記すべきだ、とか、 「友達」は「友だち」であるべきとか、 どうも「々」は嫌いだ。「人びと」「我われ」がいい。 人によってこだわりがあるんですよね。
 「女へん」の漢字は多いのに、なぜか「男へん」は「嬲る」くらいしか思い浮かばない。 それどころか「男へん」などないのかしらん、とも思うし。 ま、どう考えても女性のほうが優れていますけど。
 ずっと前、暇なとき、「へん」を決めて5分間でいくつ漢字が書けるかとか、 「田」のつく苗字がいくつ書けるかなど、友人と競争しました。 「田」のつく苗字の時には、悪い奴はどんどん捏造する。 「黒田」や「青田」があるのだから「桃田」や「赤田」「白田」があるはずだと言い張ったり、 「門がまえ」の漢字のときには、なんでもかんでも「門」に入れたり。 まるで小学生みたい。
 今回の「システム中学国語漢字・語彙編」は楽しみながら編集ができました。 入試対策であったとしても、いい漢字は読者層を問わないと思います。 この本が、そういう本に値するといわれたらすばらしいです。 誰も知らないような漢字、使いどころがあり得ないような漢字、これにはあまり興味がないのです。 漢字もコミュニケーションのツール。伝えたいことがあるから、その言葉やその漢字を使う。 思いを込めて、あるいは込められた思いを理解して、 すてきなコミュニケ―ションをしたいものです。