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きみと歩けば・・・

君と歩けば・・・

水王舎
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君と歩けば・・・ 夕刊フジアーカイブ


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「筆者のつぶやき」

出口すみ子(出口汪の妻)

 

 私たちが盲導犬育成事業のボランティアを始めて、早いもので10年が経ちました。『私』ではなく、『私たち』と言ったのは、このボランティアはけっして一人でできるものではなく、家族が協力しあいながらでなくてはできないものだからです。この10年いろいろありました。小学生だった下の子は大学生となり、一人暮らしをしています。もちろん、ボランティアの活動を続けていくうちに、同じボランティア仲間の知り合いも一杯増えました。

 最初に始めたのはパピーウォーカーという生後2ヶ月の子犬をやく10ヶ月間、家で育てるというボランティアでした。「かわいい子犬を育てられる」そう、気軽に始めたものの、実際は戸惑うことばかりの連続でした。家族同士でも、嫌なことは押し付け合ったり、責任逃れをしたり、いつも一体となっていたわけではありません。それでも、続けてこられたのは、ひとえに子犬がかわいかったから、その一言につきます。かわいいから愛情を一杯そそぐことができるし、愛情をそそげばそそぐほど、また、さらにかわいさが増していきます。私たちにとってはパピーウォーカーというボランティアをしているという特別な意識はなく、毎日、パピー(子犬)と一緒に悪戦苦闘しながらも、楽しく過ごしているというのが実感でした。家族の絆もボランティアをとおして深まっていきました。この本を読んでいただければ、みなさんも同じような思いをいだかれると思います。

 もちろん、毎日、パピーと過ごしただけで終わっていったわけではありません。このボランティアに関わるうちに、盲導犬育成事業のこともいろいろと勉強させていただきました。そして、いつも実感させられるのが、社会的認知の低さです。もっともっと、みなさんに知ってもらいたい、そういう思いも強くなってきました。この本を読んでくださったみなさんが、少しでも盲導犬のことに興味をもってくだされば、これほど幸いなことはありません。

 最後に。この本は私一人の力ではけっして書くことができませんでした。家族の支えはもちろんのことですが、協力してくださった関西盲導犬協会、素敵なイラストを描いてくださった設楽みな子さん、そして編集の方の力があってこそです。本当にありがとうございました。