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話し方の基本の基本

2011.05.15

生まれたときから話していた

 

 私たちがこの世に生を受けた瞬間、思いっきり泣き声を上げます。もちろん、この時何を思って声を上げたのか、誰にも分かりません。
 でも、赤ちゃんはお腹がすいたとき、だっこして欲しいとき、おしめを換えて欲しいときなど、懸命に泣き声を上げます。
 もちろん、既成の言葉を所有しているわけではなりません。あらゆることを、「声」で表現しているのです。このように、私たちは最初は声でもって周囲の人たちとコミュニケーーションをはかります。
 逆に言うと、私たちは赤ちゃんの声の大きさ、質などにより、赤ちゃんが何を訴えようとしているのかを読み取ろうとします。
 声には「意味」はありません。それでも、「声」は私たちの心を十分に伝えてくれるのです。
 たとえば、恐怖心を言葉で説明するよりも、叫び声の方が瞬時にそれを表現することができるし、恋人にささやく甘い声は、百の言葉よりも効果的かも知れません。
 言葉は意味を表す限りは、それを発信する中心となる場はやはり脳髄でしょう。それに対して、声は身体全身、いや時には心の中から発信することができるのです。
 それなのに、現代人は「声」に関してあまりにも無関心であるような気がします。
 まずは「声」に心を込めましょう。自分がどんな「声」でしゃべっているかを、時には意識してみましょう。
 
 誰かの誕生日プレゼントを買いに、デパートに行ったとしましょう。その人に何を送れば歓んでもらえるのか、考えに考えた揚げ句、せっかくの日曜日を棒にして、デパートの人混みを掻き分けてようやく一つのプレゼントを買いました。
 相手がどんなに歓んでくれるのか、その晩は興奮であまり寝付かれませんでした。
 そして、次の日、胸をどきどきしながら、その人にプレゼントを渡したとします。
「ありがとう」
 その人はにこっと笑ってそう言いました。
 では、その人の声はどうだったでしょう?
 ただ義務的に、声に心を込めることなく、ただ「ありがとう」と言ったのなら、あなたは昨日一日プレゼントを買うために時間をつぶしたのは一体何のためだったのだろうと、きっと悲しくなるに違いありません。
 もし、その人が心から感謝の気持ちや喜びを声に込めていたとしたら、昨日の苦労はいっぺんに報われるに違いありません。
 「ありがとう」という言葉の意味は、どちらも同じです。でも、その「声」によって、その効果はまるっきり異なったものになります。
 私たちはなまじ言葉を習得したために、「意味」にばかり重点を置き、「声」の大切さを忘れがちになります。
 今、「話し方の基本の基本」を始めるとき、まず「声」を意識することから出発したいと思うのです。
 
 「声」に心を込めて喋れば、相手の反応も異なってきます。朝起きたとき、あなたは家族にどのような「声」で、「おはよう」と言っているのでしょうか?
 「声」に力のある人の周りには自然と大勢の人が集まってきて、その場が明るくなることでしょう。
 その逆で、「声」が暗い人は、やはりその人と話しても楽しくなれないので、周囲から人が去っていきます。
 ずいぶん昔の話しですが、私は三十代から長年ら字をのパーソナリティをやっていたことがあります。その時のリスナーたちは受験生が大半で、おそらく深夜に勉強をしながら、ラジオから流れている私の「声」を聞いていたと思います。
 私の「声」が、どんなトーンで彼らに届いていたのか?
 そのことを思うとき、私は今でも思わず冷や汗が出そうになるのです。
 「話し方の基本の基本」は、やはり「声」を意識することです。

 


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