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告白3

2011.05.10

次々とテレビの画面に映し出される地獄絵。

空に大地に海にまき散らされる放射能。

僕の中で何かが大きく変わりつつありました。それは突然に変わったのではなく、ふと気がつくと、どこか以前の自分の考え方、生き方が変わっていたという具合だったのです。

大自然の前には、文明の力がいかに無力であるのか、それをいやというほど思い知らされたようでした。僕たちの文明をもう一度思い切って見直さなければならない、そんな思いを抱いたのです。

僕たちは科学技術を過信し、自然に対して傲慢すぎたのではないか。

そして、僕にとって何よりも大きかったのは、僕自身の問題でした。僕が今しなければならないことは何か、果たして何ができるのか、そう自問自答するとき、実は傲慢であったのは文明だけでなく、実は僕自身であったのではないかと気がついて愕然としました。

 

僕の秘書のEは、震災後、一切肉を食べなくなりました。肉のかたまりだけでなく、ミンチも食べることをしません。もちろん、ハンバーガーなども肉が入っているから食べません。

僕たちは動物を殺して、肉を食べることを仕方がないとして、思考停止をしたままでした。肉はスーパーで百グラム何円という数字に変えられ、生きている動物を殺すという現実を考えようとしませんでした。あるいは、人間だからそれが許されると無理に思い込んできました。

 でも、果たして人間なら許されるのでしょうか?

 僕はパピーウォーカー(盲導犬を育てるボランティア)を長年やっています。犬といっしょに暮らしていると、犬だって人間と同じようによろこんだりおびえたり、痛みや恐怖だっておそらく人間と何ら変わらないことが分かります。

 牛や豚を殺すということは、いっしょに暮らしている犬を殺すこととどう違うのだろうか、僕たちはそんな現実をわざと考えようとしなかったり、あるいは人間だからそれが許されると勝手に思ってきたのではないでしょうか?

 牛や豚を殺さなくても、僕たちは何の不自由もなく生きていけるのです。

 傲慢。

 不遜。

 そんなことばが脳裏にこびりつくようになりました。

 もちろん、僕の場合は秘書のEほど徹底したものではなく、出されたものは食べますが、その時胸が痛むようになったのです。そして、自分からそれを食べようとは次第に思わなくなりつつあります。

 僕は長年予備校の講師という因果な職業に就いてきました。因果といったのは、僕が生徒を獲得したとき、他の教師の教室では生徒が減っているといった状況のなかで、ひたすら競争を強いられてきたからです。

 (今は生徒がいる教室で講義はしていませんが)

 そして、僕は傲慢でした。

 肉を食べないというのは一例であって、僕は僕自身の生き方をもう一度考え直さなければならない時期に来ていることを自覚し出しました。

 

 大震災だけでなく、実は僕の周囲に次々と驚くべきことが起こったのです。

 まさに計算されたかのように、僕は僕自身の生き方を変えざるをえない事態に遭遇しました。

 しばらくの間、僕は混乱状態でした。


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